東京

美しく復原された「東京駅・丸の内駅舎」の歴史と見どころ

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東京駅の概要

  • 建設:1914年
  • 設計者:辰野 金吾
  • 日本の重要文化財

日本の首都東京の表玄関「東京駅」

東京駅は、日本の首都東京の表玄関とも言うべきターミナル駅です。プラットホームの数が日本一多く、1日あたりの列車発着本数は約3,000本、日本における最大の列車交通の拠点となっています。

駅舎の中央には皇室専用の出入口

東京駅丸の内駅舎 皇室専用貴賓出入口

皇居の正面に位置しており、駅舎の中央には皇室専用貴賓出入口が設けられています。普段、門は閉じられており、一般の人は使用することができません。日本の皇室関係の方はもちろん、海外から高貴な方が来られる時にも使用されるのだそうです。

1万円札の裏面にデザインされる

2024年7月に発行された1万円札の裏面には「東京駅・丸の内駅舎」がデザインされています。

日本銀行券 壱万円札の主な様式
東京駅 - 丸の内駅舎北ドームの外観

上の写真が東京駅北ドーム。そして、下の写真は東京駅南ドーム側から見た東京駅の全景です。

東京駅 - 丸の内駅舎南ドームの外観

一万円札の裏側の右下にうっすらと描かれているのはこちらからの構図ですね。このように南ドームから東京駅の全景を眺めるのなら、商業ビル「KITTE」の屋上庭園がおすすめです。

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もともと創建時に東京駅で使用されていた赤レンガは、表面に印刷される渋沢栄一が創立した「日本煉瓦製造」のものを使っていたそうです。現代になって同じ紙幣の中に渋沢栄一と日本煉瓦製造の赤レンガが使われた東京駅舎が印刷される、という話には何ともロマンがありますね。

東京駅の誕生と歴史

日本建築界の先駆者、辰野金吾の設計

東京駅が誕生したのは1914年。日本建築界の先駆者、辰野金吾の設計によって鉄骨の赤レンガ造の駅舎が完成しました。赤レンガと白い大理石による紅白のストライプ模様が特徴的な外観です。

同じく辰野金吾が設計した建物には「日本銀行本店」があります。ここでは日本のお札の歴史などについても学ぶことができますよ。

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第二次世界大戦での焼失と復元工事

1923年の関東大震災では鉄骨を使用した耐震構造によって崩壊の危機を乗り越えましたが、第二次世界大戦末期の1945年、東京大空襲によりドーム屋根と3階部分は焼失しました。終戦から2年後には復興工事が行われましたが、厳しい財政事情により創建当時の復原はかなわず、焼け残った2階建てに三角屋根をつけた応急処置的な工事となりました。

2003年、国の重要文化財に指定されたことをきっかけに、長期的な保存を目指して5年半に及ぶ大規模な工事が始まりました。2012年に完成したこの工事によって、空襲で失われていた3階部分やドーム屋根も見事に復原されました。

東京駅丸の内駅舎 復元工事

広場には、2003年の工事着工前の駅舎と2012年に復原された駅舎が描かれている案内板がありますので、興味がある方は探してみてくださいね。

東京駅 - 丸の内駅舎の外壁

外壁をよく見ると、3階部分の赤レンガは1階や2階よりも新しいものであることがわかります。外壁からも復原された歴史を感じ取ることができます。

見事に復原された南北ドーム

ドーム天井の内装は創建時のデザインが忠実に再現されています。鷲や鳳凰、動物、兜などを模した石膏彫刻がまるで美術館のような華やかな雰囲気を醸し出しています。

東京駅丸の内駅舎ドームの内装
東京駅丸の内駅舎ドームの内装
東京駅丸の内駅舎ドームの内装

大きく羽ばたく鷲

東京駅丸の内駅舎ドームの内装 鷲

十二支の中の8匹

動物は各方位にしたがって、十二支のうち8匹(丑・寅・辰・巳・未・申・戌・亥)が設置されています。

東京駅丸の内駅舎ドームの内装 十二支

敢えて近代的なデザインにした柱

南北のドーム内部において、3階以上は辰野金吾による創建当初のデザインが忠実に復原されていますが、建物の構造上で太くせざるを得なかった柱は銀色に輝く現代的なデザインになっています。柱頭部には改修年「西暦2012」をローマ数字で表した「AD MMXII」と刻印されています。これは明らかに後からデザインしたものだと分かるように、敢えて近代的なデザインにしたのだとか。

東京駅丸の内駅舎ドームの内装 柱

2012年に完成した保存復原工事は、単純に創建時の姿に戻すだけでなく、現在の駅にふさわしい機能を考慮した新しいデザインが取り入れらたところがポイントです。

戦後のドーム天井を転写した床のデザイン

東京駅丸の内駅舎ドームの内装 床

ドームの床面は、戦後に復旧された(今はもう見ることができない)ドームの天井を見上げたような立体的な絵になっています。以前は天井を見上げたらそこに見えた景色が、今は床にデザインされている。このことからも、過去の建築デザインへの尊敬の念を感じます。

外観も美しい東京駅

屋根を支えているブラケットはアール・ヌーヴォー風

東京駅丸の内駅舎 外観

南北ドームの出入り口の屋根を支えているブラケットには、アール・ヌーヴォー風の美しい曲線的な装飾が施されています。

雨の日はアスファルトの路面に反射して美しい

東京駅丸の内駅舎 外観

雨の日の東京駅。アスファルトの路面に駅舎が反射して美しいです。

駅舎の中でお食事やスイーツも楽しめる

東京駅2階のカフェ「TORAYA TOKYO」

赤レンガ駅舎の中で、和のスイーツやお食事が楽しめる「TORAYA TOKYO」もおすすめなので、こちらもぜひ覗いてみてくださいね。

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東京駅2階の美しい赤レンガの喫茶店「TORAYA TOKYO」
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東京駅は電車の乗り降りで利用するだけではもったいない建物です。文化的な価値だけではなく、カフェやレストランを利用したり、お土産を購入したり、利用できるシーンもさまざま。ぜひ東京駅を降りて、自由に散策していただけたら嬉しいです。

駅舎の中には4つ星ホテル

東京駅舎に泊まれる「東京ステーションホテル」

そして、この東京駅舎に泊まれるホテルが「THE TOKYO STATION HOTEL」です。南ドームに面した客室もあり、早朝や深夜などは薄明かりに浮かぶドームが見下ろせるそうです。いつかこのホテルに泊まってみたいものです!

東京ステーションホテルの入り口
東京ステーションホテル
created by Rinker
Forbes Travel Guide 4-Star ★★★★

「東京駅・丸の内駅舎」へのアクセス

東京駅・丸の内駅舎

東京都千代田区丸の内一丁目

  • JR線(山手線、中央線、京浜東北線、常磐線、宇都宮線、高崎線、上野東京ライン、東海道線、横須賀線、総武線-快速、京葉線、武蔵野線)
  • 新幹線(東北・北海道新幹線、山形新幹線、秋田新幹線、上越新幹線、北陸新幹線、東海道新幹線)
  • 東京メトロ(丸の内線)
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Ruby
Ruby
Web Designer / Photographer
東京在住、WEBデザイナー&フォトグラファーのRubyです。日本各地に出かけて心に留まったものを写真に収めています。 日本の美しさ、日本の素晴らしさをもっと世界に広めたい、そんな想いでブログを始めました。旅行の時にぜひ立ち寄ってほしい観光スポットや建築、カフェ、ホテルなどをご紹介します。
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